再生医療とは、ご自身の細胞に
由来する成分などを用いて、
病気やケガなどで損傷を受けてしまった
臓器や組織の修復を目指す医療です。

医療法人社団大須賀医院／

おおすが整形外科
理事長／院長　大須賀友晃

当院に通院されている多くの患者様が、膝などの関節痛にお悩みです。これらの治療法として、これまではヒアルロン酸注射やリハビリテーションなどの保存療法を行い、痛みの軽減や日常生活の改善に努めてきました。しかしながら、加齢に伴う変形など、従来の保存療法ではなかなか改善しない方もいらっしゃいます。そのような方では、人工関節置換術などの手術が次の選択肢ですが、ご家庭の事情やご年齢などのために手術を選択されたくない方も多くいらっしゃいます。昨今の医学の進歩により、これまでの保存療法と手術の他に、「再生医療」という選択肢が増えました。痛みにお悩みの患者様の一助となるように、当院でも再生療法を導入しました。ご納得いただけるよう医師や看護師がご説明いたしますので、メリットやデメリットをご理解いただき、治療の新たな選択肢としてご検討ください。

PFC-FD^™療法

PFC-FD（血小板由来成分濃縮物）とは、採血したご自身の血液から血小板を集めて作製した
PRP（多血小板血漿）を活性化及び無細胞化した上で濃縮し、さらにフリーズドライ化したものです。
血小板には、血管が損傷したとき損傷した場所に集まって止血する働きがあり、
その際に多量の成長分子（PDGF-a/b、TGF-β、bFGF、VEGF、EGF等）を放出します。
この成長分子には抗炎症作用や組織の自己修復を促進する働きがあります。
この血小板の放出する成長因子を使って、治りにくい組織の修復を迅速に促す方法が
PFC-FD療法（以下、本治療という）です。

PFC-FD^TMは、セルソース株式会社の提供する商標です。

ご自身の血液より作製したPFC-FDを用いて、
自己修復力を活性化させることがこの治療の目的です。

加齢に伴う膝や肩の痛み

スポーツによる関節や腱の痛み

従来の保存療法と手術に加え、
「再生療法」という新たな選択肢

今までの保存療法（お薬の内服や注射、リハビリテーションなど）で
軽減しない患部の痛みの改善が期待できます。
治療の効果を実感いただけるまでの期間には個人差があり、
1週間程度で痛みの軽減を実感される方もいらっしゃいますが、
平均的には約3ヶ月程度です。しかし残念ながら、効果を実感されない方もいらっしゃいます。
本治療は、注射後すぐに痛みが軽減するわけではなく、時間をかけて痛みが軽減していく治療です。
したがって、治療後すぐに効果が出ないから治療に失敗したというわけではありません。

PFC-FD療法

治療の奏効率

膝の痛みでは、約50％～70％の方で痛みが軽減したと報告されています。
本治療は、患部組織の修復を促すものであり、全ての方の痛みが軽減するわけではありません。

治療は大きく分けて3ステップで行います。

• 診察

  

• 採血

  

• 注射

  

治療では、ご自身の血液から抽出した有効成分を使用します。
このため、治療後に拒絶反応が起こるリスクは極めて低く、重い副作用はないと考えられます。
また、細胞加工は国の認可を得た施設で行うので、安全性も担保されています。

特定細胞加工物製造施設の委託

「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に対応した体制、
特定細胞加工物の製造許可を受けた施設で加工・培養を行っています。
※厚生労働省認可（施設番号:FA3160006）

徹底した品質管理と品質証明

• バイオクリーンベンチ内で作業

  

  清浄度クラス100の環境（1ft³に0.5μｍ以上の微粒子が100個以下）を実現した無菌操作等区域内で、全ての製品を製造します。

• 1人分ずつ製造

  

  バイオクリーンベンチ内では、常に1人分の組織しか取り扱いません。さらに、その都度ベンチ内を清掃し衛生を保つことで、コンタミネーションのリスクを極限まで低減しています。

• 完全バーコード管理

  

  受注から納品まで、一人ひとり異なる製造番号を割り当て、バーコードによる一元管理を行っています。このシステムの運用により、製品の取り間違いを未然に防ぐことが可能です。

• 品質証明書を作成

  

  各種検査結果や保存残量、セルカウント数に有効期限等の情報をまとめた品質証明書を作成し医療機関へお届けします。

• メリット

  • ご自身の血液由来成分を用いるので、大きな副作用なく治療を行うことができます。
  • 自己修復が難しいと考えられる組織においても、修復を促すことが期待できます。
  • 従来の治療法（保存療法）が著効しない方にも、一定の効果が期待できます。
  • 関節、筋、腱、靭帯など多くの運動器に対して治療を行うことができます。

• デメリット

  • 自己修復力に依存しているため、修復プロセスが働かずに効果が得られないことがあります。
  • C型肝炎やB型肝炎ならびにAIDSなどの感染症を発症している場合は治療できません。
  • 社会保険や国民健康保険などの医療保険を利用することはできず、費用が高額です。
  • 採血部や注射箇所に一時的な痛みや皮下出血が発生する可能性があります。

• 治療の注意点

  • 細菌感染を防ぐため、注射部位は清潔に保ってください。
  • 注射当日は注射部位を濡らさないようにしてください。翌日から浴槽につけていただいて結構です。
  • 注射後の数日間は血流の良くなる行為（長時間の入浴、サウナ、飲酒、激しい運動など）により、痛みが強くなることがあります。
  • 悪性腫瘍を患っている方、妊娠中の方、感染症検査（HIV、HBV、HCV、梅毒、HTLV-1）で陽性の方は、本治療をお受けいただけません。

• 患者様の権利

  • 患者様には治療方法を選択する権利があり、本治療は様々な治療方法の1つです。
  • 本治療を選択しない場合であっても、他治療の選択を何ら妨げるものではありません。また本治療を選択しないことによって、患者様が不利益等を被ることはありません。
  • 患者様には治療に関する情報の詳細を知る権利があり、診療時間内に医院へ問い合わせることにより、必要な情報を開示いたします。